最低限知っておきたい スパイスの世界 基本編
みなさんは普段スパイスって使いますか?
本格的なスパイスは種類が多くてあまりよくわからないし、あまり使わないという方は多いかと思いますが、基本の知識を抑えてスパイスを使用すれば料理の幅がグッと広がります。
また、長年人々と深い繋がりのあるスパイスは主に香り付け、辛味付け、色味付けといった3要素のほかに健康や美容、アンチエイジングなど実に様々な効能がある魔法の調味料です。
そこで、ここではスパイスを活用するために最低限知っておきたいスパイスの基本をご紹介していきたいと思います。
数多くの効能のあるスパイス。みなさんの生活の中にもちょこっと刺激を入れてみませんか?
スパイスとは
そもそもスパイスの定義ってなんなんだってことなんですが、世界的には具体的な定義というものがないみたいです。
ただ、日本スパイス協会では自主基準を定めてあります。
そもそもスパイスは香辛料の一部で、香辛料はスパイスとハーブに分けられるそうです。
香辛料とは植物体の一部で、植物の果実、果皮、花、蕾(つぼみ)、樹皮、茎、葉、種子、根、地下茎などであって、特有の香り、辛味、色調を有し、飲食物に香り付け、消臭、調味、着色等の目的で使用し、風味や美観をそえるものの総称であり、スパイスとハーブに大別されます
ということになります。
そして香辛料の中の植物体、茎と葉と花を除くものがスパイス。茎と葉と花を使うものがハーブ。
ということを日本スパイス協会の自主基準として定義付けされています。
★香辛料のうち葉や茎、花を利用するものが → ハーブ
(クレソン、セルフィーユ、バジル、オレガノなど)
★香辛料のうち葉や茎、花を除くものが → スパイス
(唐辛子、胡椒、ナツメグ、西洋わさび、ニンニクなど)
といった認識でいいかと思います。
スパイスの形状 使い分け
ホール
粉砕せず、木の実の形をほぼ原型のままの状態にして乾燥させたもの。香りが飛びにくいため煮こみ料理や長時間加熱する料理に最適。またホールの状態を摺る、挽く、砕いて使用すれば新鮮な香りが広がります。
シード
粉砕せず、種子の形をほぼ原型のままの状態にして乾燥させたもの。インド料理では主に油と一緒に加熱し、香りを出します。
パウダー
ホール、シードを粉砕し、粉状にしたもの。扱いやすいがホールやシードに比べ香りは飛びやすい。値段も安いのでまずはこれから揃えたい。
ミックス
文字通り複数のスパイスを組み合わせたもので代表的なものはガラムマサラや五香粉、七味唐辛子。手軽に使えるので便利。
フレッシュ
乾燥させてないスパイスのこと。生のにんにく、しょうが等がこれに当たります。ちなみに前述した通りクレソンやバジルはハーブになります。
ペースト
生の香りを残した状態で加工したもの。ご家庭で使用しているわさびやしょうがのチューブがこれに当たります。
ミックススパイスとシーズニングスパイスの違い
★ホールやパウダーをミックスしたもの → ミックススパイス
(ガラムマサラ、五香粉、七味唐辛子など)
★スパイス&ハーブに調味料を加えたもの → シーズニングスパイス
(よくスーパーなどで見かけるマジックソルト、鶏の香草焼きやガパオなどの入れる、混ぜるだけシリーズがシーズニングスパイス)
スパイスの基本的な使い方(香りの引き出し方)
テンパリング
油でスパイスに熱を加え、香りを引き出して油に香りを移すこと。テンパリングで油に香りを移すスパイスをスタータースパイスといいます。
乾煎り
油を使わず、フライパンなどで乾煎りすることでスパイス自体の香ばしさが引き立ちます。
専用の道具で擂る、挽く
木鉢や乳鉢でスパイスを摺ったり、専用の電動または手動のミルでスパイスを挽くことによって、フレッシュな香りが引き立ちます。
パウダーの使い方
パウダーはホールやシードに比べ使いやすい分、香りが飛びやすいので香りを残したい場合は料理の仕上げに使用します。煮こみ料理など粉っぽさをなくしたい場合は最初の段階で使用します。
その他
その他に指でちぎる、たたく、材料に揉み込んだりすることによって香りなどの効果が上がります。
スパイスを長持ちさせる方法
基本的にスパイスは保存して使用できる期間は長いのですが、正しい保存方法を行わないとスパイスの香り成分や辛味成分が飛んでしまいます。その他食材でも同じことですが、熱と湿気、空気に触れることをなるべく避け、ジップロックや密閉容器に入れて高温多湿を避けた冷暗所で保管するようにしましょう。
4大スパイスとは
4大スパイスってご存知ですか?
世界で最も使用される4つのスパイスが胡椒、ナツメグ、クローブ、シナモンです。
胡椒
みなさんお馴染みスパイスの王様で、かつて胡椒を巡る戦争が勃発したほど高価とされ、紀元前500年頃インドではすでに生産されていた歴史があります。
ナツメグ
独特な甘い芳香とまろやかなほろ苦さが特徴でパンや焼き菓子、肉の匂い消しとしてハンバーグなどによく使用されます。
クローブ
バニラに似た甘い独特な香りとつよい刺激的な風味が特徴的で肉料理メインで使用されます。
シナモン
甘く濃厚な香りと細長い筒状の見た目が特徴でアジアではお茶に入れたり、ヨーロッパではスイーツに使われることが多くあります。アップルパイなどが有名ですね。
★ちなみに胡椒を除くナツメグ、クローブ、シナモンを組合わせたものでオールスパイスというスパイスがあります。
スパイスを楽しもう!
いかがでしたか?今回はスパイスを使用する上で最低限知っておきたいスパイスの基本をご紹介しました。
スパイス料理は難しく思われがちですが基本を抑えることによって、風味や味わいが格段に上がります。
単に辛いだけでは要約できないスパイス。エキゾチックな香りと味覚で脳を刺激し、体の中からも元気になりましょう! それではまた!